定額給付金を全部つぎ込んで見た「三文オペラ」
世界中で多種多様な演出によって上演され続けるブレヒトの最高傑作、音楽劇「三文オペラ」。シアターコクーンでも歴代の芸術監督、串田和美、蜷川幸雄も手がけてきた不朽の名作らしい。んだけど…。大阪では、わずか6日間の公演。5月4日の初日に行ってきました。
出演者の顔は、白く塗られて、まるで「田園に死す」のようでした。デーモン小暮閣下だけは、「素顔」(?)でした。
お客さんの反応が、最後まで全然わからなかった。ロビーもシーンとしているし、舞台の途中でも、誰もなんの反応がない。そんなに笑わないし、淡々と皆見てる感じだ。おもしろいの? みんな誰が、何が目的で見に来てるの? 私は、三上博史さんだけを見に来たけど…。
あきらかに、元・モーニング娘。のA嬢のファンと思われるおたく青年がロビーにうろうろしていてびっくりした。小太りで眼鏡くんで、手には紙袋。モーニング娘。らしきアイドルの顔写真がプリントされている。わかりやすい。
で、舞台が終わったとたん拍手が鳴り止まず、2階席まで全員がスタンディングオベーションして、「ひろし、ひろし」と三上博史さんの挨拶を促す。大照れに照れながら、笑顔で「ありがとうございました」とあいさつする三上さんは、やはりステキだった。でも、もっと過激で、おどろおどろしく、倒錯的な三上さんを期待していたんだけどなあ。
「閣下あ!閣下あ!」という声も多くて、ああ、デーモン小暮閣下のファンも多いんだなあと思ったわ。閣下は、新感線の舞台「星の忍者」に出演されたことがあるのですよ。
入場料は1万2000円と高額。定額給付金をそっくりそのまま使ったというわけだ。
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